今週は秋のGIシリーズ第1弾、スプリンターズステークスが行われます。夏競馬で培った実力を試す時がきました。
しかし、それ以上に忘れてはならないのが、凱旋門賞が行われるということです。ついに我等が日本の至宝、ディープインパクトが出走するのです。GIの予想はもちろん重要ですが、それ以上にこちらの応援に気合が入ります。
正直、今回が日本の調教馬が凱旋門賞を勝てるかもしれない、最後で最大のチャンスでしょう。この後暫くは出てこないと思います。
今回の最大のライバルは、やはりハリケーンラン、シロッコの2頭でしょう。両馬は同じ、アンドレファーブル厩舎の所属馬。ハリケーンランは勝負根性があり、シロッコは単純に強いと言える馬でしょう。キングジョージの時に、明らかにハーツクライより押していたのに、あそこから力強く伸びてきて勝ったハリケーンランの勝負根性は相当なものだと思います。
他には同厩舎所属の3歳馬、レールリンクが最大の伏兵だと思います。まだGI出走経験は無いですが、凱旋門賞と同じコースのGUを3連勝中というのは侮れないでしょう。前走ニエル賞を勝っており、ニエル賞勝ちから凱旋門賞を勝った3歳馬は多いです。フランス最強の厩舎が送り出す最大の伏兵。どういったレースをするか、別の意味で楽しみです。
ディープインパクトは今回、こういった欧州一流馬達を相手に戦わなければいけません。先程も言いましたが、今回が最大にして最後のチャンスでしょう。それなのに今回は、過去にも例の無いほどの欧州最強豪華面子が相手です。それだけ日本調教馬の実力が試されているということでしょう。
今回ディープは勝てるのか?勝ってもらいたいのは誰しも思うことですが、個人的にも今回は勝てると思っています。
1998年、かつてタイキシャトルが海外遠征を発表した時、壮行レースとして選んだのは安田記念でした。その日は朝から降り続く大雨で、かつて無いほどの不良馬場でした。タイキシャトルにとっては試練の雨。これくらいの不良馬場を克服できないのなら、更に重くなる欧州の馬場など走ることなど不可能。そんな状況の中、タイキシャトルは周囲の不安を一蹴するかのように大外を駆け抜け、3馬身差の圧勝劇を演じ、もう日本に敵はいないと言わしめ、世界へ旅立ちました。そしてジャック.ル.マロワ賞を制覇。
今回のディープインパクトはこの状況に重なるように思えます。海外遠征発表後、壮行レースに選ばれた宝塚記念。朝から降り続く大雨。不良馬場を大外駆け抜け、日本の中、長距離界に敵はいないと言わしめた4馬身の圧勝劇。試練を克服したディープインパクトに競馬の神が、『勝て』と後押ししているように思えて仕方が無いのです。
まあ何を言おうと、あと数日で決着がつきます。日本時間10月2日午前0時30分(今週日曜深夜12時半)。日本の至宝が世界へ飛翔する瞬間を、この目でしっかりと見届けようと思います。